聖母女学院

◆廣岡 洋子 理事長 インタビュー (2012.2.23)

 

2012年 2月23日 学校法人「聖母女学院」の廣岡洋子理事長先生にお会いして参りましたので、ご報告いたします。


CIMG3496      聖母女学院 大阪・香里キャンパス 校門です。

 

学校法人 聖母女学院の廣岡洋子理事長先生は、素敵なお母さんでした。優しくて頼れるお母さんでした。

 

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                廣岡 洋子理事長と私です。

廣岡洋子理事長のこれまでの人生をお聞きしていて、廣岡理事長は使命と誠意と正義を貫き、直観によって生きて来られたの方なのだと思いました。廣岡理事長 は、聖母女学院で学び、高校2年生の時に洗礼をお受けになりました。洗礼名は、「ジャンヌ・ダルク」だそうです。その洗礼名の如く、これまでの人生は改革 の連続だったそうです。


廣岡理事長のこれまでの改革活動の一端をご紹介します。廣岡理事長は、1983年に困っている女性の駆け 込み施設である「マリアンほーむ」を主宰し、また1990年には、京都府の山奥に困っている男性のための日本で初めての立ち直り支援施設である「真理庵の 郷」(祈りと労働と憩いの村)を開設しました。そして今は、東北大震災によって被害に遇われた方々の支援に力を注いでいらっしゃいます。廣岡洋子先生は、 「使命」として、行動していると仰っていました。これらの活動は全てボランティアですが、お金に変えられない喜びがあるそうです。


廣 岡洋子先生は、1938年、軍人である父親がいる大連に向かう船上で誕生されました。だから「洋子」という名前なのだそうです。1945年、中国脱出後、 北朝鮮で終戦となり、1年近くの収容所生活の中で、栄養失調と発疹チフスのために2人の弟を亡くされました。廣岡先生は引き上げのご苦労を著書「時の風」 (明石書店刊)に記しています。日本引き揚げ後、聖母女学院で学び、1963年に、父が戦った国を見たいと思い、当時はケネデイが大統領であったアメリカ 合衆国に留学しました。アメリカでは心理学を専攻する傍らボランティア活動を体験されたそうですが、驚くことに廣岡先生は、キング牧師の演説をお聞きに なったそうです。そして、チェ・ゲバラに会いたくて、キューバに行こうとしたそうですから、本当に行動的な方です。廣岡洋子先生は、ケネディ大統領、キン グ牧師、チェ・ゲバラ激動の時代を実感して、「社会の中で改革したい。自分の為に生きるのではなく、人の為に生き抜いていこう。」と強く願うようになられ たそうです。


76年、母校にてカウンセリングルームを開き、スクールカウンセラーとして子どもたちに接する中で、子どもたちを通 して教育に求められているものが明らかになったそうです。また、教員は仕事ではなく、使命であり、使命感と情熱があるから教員なのだと強く思われたそうで す。そこで、その体験を活かしながら、改革家であり、信者であり、また聖母女学院の精神が心に根付いている卒業生こそが、これからの聖母女学院をより高み へと導いていくことが出来るのではないかと考えて、理事長の任を受けられたそうです。


廣岡洋子先生のお言葉を書きます。

「聖 母女学院の建学の精神は、「正義、奉仕、愛」です。倖せってなに?、生きるってなに?、命ってなに?かを凝縮したものが、「正義、奉仕、愛」だと思いま す。そして、この建学の精神は今の時代に一番必要なものではないでしょうか。聖母女学院は教育の良心でありつづけたいですし、私も良心のまま生きていきた いですね。私は、私心がなく、公心に徹して、誠心誠意行動していますらか、何を言われても怖くありませんよ。一匹狼は悪くはありません。私は、ある意味で は怖い人間かもしれませんね。情に流されることがありませんから。

本校の生徒に「偉人伝」を読んでくださいと話しています。なぜなら、これまでは生きている人が模範でしたが、今は、模範になる人がいますか。私は模範となる人は少ないと思いますよ。ですから、偉人伝を薦めているのです。

そんな時代ですが、聖母女学院の教員には、私心の正義でなく万人の正義を、日々の学園生活の中で生徒に示してほしいと伝えています。生徒はそんな教員の姿を見て、これからの生き方を決めてほしいです。これが、理想の教育です。そして、これが聖母女学院の教育なのです。

今 回の震災については、ピンポイント支援として、宮城県の南三陸町と角田市を支援しています。私は、たびたび南三陸町と角田市に行っていますが、昨年8月に 本校の高校生を連れてボランティアに行きました時に、南三陸町はたこが名物なのですが、南三陸町にはたこ焼きが無いことに生徒が気付きまして、被災地の 方々にたこ焼きを食べていただきたくて、11月にふたたび南三陸町を訪れて、「たこ焼き・お好み焼きの店」を開きました。完売でした。みなさん、とっても 喜んでくださいました。その時の高校生の一人は、大学は福祉関係に進みたいと言っています。こうした一人一人の想いが、社会に花を咲かせていくのだと思い ます。私は、直観で行動する人間なので、すぐに行動する。でも、行動すればいろいろな方が協力してしてくださって、大きな動きとなり思いが実現していきま す。私のこんな直観的行動で、周囲の人には苦労をかけたなぁと思いますが、良い人生だと思っているんですよ。そしてね、私はね、これらの行動はすべて導か れていると感じているんですよ。」

以上です。
私立小学校を訪ねてまわって、20人以上の校長先生にインタビューさせてい ただいて気づいたことは、校長先生のオーラが学校を包んでいるという事です。でも、今回初めて理事長先生にインタビューさせていただいて分かったのです が、学校は校長先生だけでなく理事長先生のお二人のミックスオーラで包まれていますね。ですから、学校をより深く理解するために、これからもたくさんの理 事長先生にお会いしたいと思いました。
これから先、お子さんのために幼稚園、小学校、中学校等を選ぶ時には、校長先生だけでなく理事長先生のお考えも聞いておく必要があるかもしれません。



聖母女学院の学校パンフレットに廣岡洋子理事長の「ごあいさつ」があります。一部をご紹介いたします。

「イ エス・キリストの母である聖母マリアの「聖母」を校名としている本学院は、カトリックの人間観、世界観に基づいた全人教育をとおして、他者への深い慈しみ と、奉仕の心を培い、正義を貫く強い心をもって世界平和に貢献できる人間を育成することを教育の目的としています。その根底となっている理念は、イエスが 自らの命をかけて示した無償の愛に応えようとものであり、成人した時に、社会の一員としての責任と使命を達成すべく協力していける人格を形成していくこと です。子どもたちの未来は、希望と喜びに満ち溢れたものであってほしいと願っています。それには、「人は何かができるから価値があるのではなく、神から生 かされ、無条件に愛されている存在であることに価値があるのだ」ということを、本学院での日常生活の中で、一人ひとりに伝えていくことこそ、カトリック ミッションスクールの使命であり、この揺ぎない価値観に基づく教育は、多様な価値観が錯綜し、混乱を引き起こしている現代社会において強く求められている 真の教育であると自負しています。」


                    子どもの笑顔を守りたい。幼児教室けいkids+の心です。